陸上の生物が大気中の二酸化炭素を吸収し、固定する炭素のことを「グリーンカーボン」と言い
地球温暖化の対策に注目されてきました。
同様に、海洋生物の作用によって固定された炭素のことを「ブルーカーボン」と言います。

ブルーカーボンは国連環境計画(UNEP)が2009年に発行した報告書『Blue Carbon』ではじめて定義されました。

「KAISO」やその葉に付着する微細な藻類が、光合成でCO2を吸収して成長し、炭素を隔離します。
そして藻場の海底には有機物が堆積し、「ブルーカーボン」としての巨大な炭素貯留庫になります。

海に囲まれた島国である日本にとって、沿岸域の炭素固定の効果は大変大きくなります。

小さな島国である日本の領海や排他的経済水域の面積は約447万平方kmあります。
その広さはなんと世界第6位、日本の国土の約12倍の広さを持っています。

グリーンカーボンは大気中の二酸化炭素の約12%を吸収していると言われています。
それに対して、ブルーカーボンは約30%の二酸化炭素を吸収しています。

しかし、海の中という目に見えにくい森は急速に失われつつあります。

日本において1970年代には21万haあった全国の藻場と干潟の面積は、
2010年代には13万haまでに減少し、水中の生物多様性に影響を及ぼしています。
藻場面積あたりのCO2吸収量は森林の25倍と言われますが、地球上におけるその面積は1/100に過ぎません。
その失われた藻場をどう増やしていくのかが私たちの課題です。

 
PAGE TOP